老いのひとこと

石踏み公園を目指しペタルを漕ぐ、いつも静閑とした雰囲気漂う園内が人だかりで騒々しい。

直ぐに園児たちの運動会だと気付く、流行りのアニメソングが場内に流れ万国旗が秋風に靡く。

進行役の保母さんが独り威勢の良い張り声で盛り立てるが園児たちの遊戯や競技は黙して語らずお行儀が良い。

周りを取り巻く若きパパ・ママたちはレンズを向けて右往左往する光景は全国一律いずこも同じだ。

孫の健やかな成長を此の目で確かめようとお年寄りたちも大勢馳せ参んず。

 

嘗ての遠き昔には孫たちの運動会には万難を排してよく見に行ったものだ、わざわざ大阪まで出向いたこともあったなあ。

但し、何故かしら我が子の記憶が蘇らないのはどうしてであろう。

 

生憎、抜けるような秋空には恵まれず今にも降り出しそうな空模様でしたが恙なく進行して呉れることを想い乍ら石踏みのお勤めを終えた。