老いのひとこと

骨壺を大量生産しても始まらない、其処らに転がる駄石や流木の台座作りも面白いが陳腐なアイデアを幾ら捻り出してもどうも変わり映えがしない。

  

図鑑をめくる内に登呂遺跡に出くわし高床式倉庫に興味が行き即座に此れだと決めた。

 

適寸のミニチュアセットを作り5つのパーツに分け型紙通りにたたら板を切り抜き其れらを接合するだけの作業に過ぎないがやはり根気との勝負となろう。

弓で角っこを45度にカットし接合面にドべを塗りくっ付ける箇所が都合24カ所、此れは時間との勝負と相成ろう。

 

ボケる暇はどこにもない、陶芸はボケ防止の最良の手段と言えそうだ。

 

ただ肝心のネズミ返しにまでは手が回らない、また高床の高床たる由縁の柱が如何にも貧弱すぎ、依って倒壊の恐れ多分にあり。

補強材を施したが余りも不細工で不本意な出来栄えに終わったようだ。

 

でも制作時間凡そ6時間、半日がかりの大仕事、確かに自己実現を得たようで好かった。