老いのひとこと

宿貸さぬ

人の辛さを

情けにて

朧月夜の

花の下伏し

蓮月

 

蓮月さんの名句に肖りお茶碗を作った

古釘ではなく彫刻刀で彫り上げた

弁柄を渋茶と共に練り上げ凹部を筆でなぞるが

筆勢乏しく面白味がない

透明釉を掛けたが唯一取り柄は口縁部が白く変色し返って面白いではないか

 

我にすれば稀に見る秀作ではないか、但し抹茶を立てる身分ではない、せめて我が両手で温めながら目で愛でてやるしかないのです。