老いのひとこと

少し寄稿が遅れもうモクレンは散りそめる。

 

 

今日も歩める喜びを噛みしめながら一歩一歩を踏みしめる。

晴天下に雨傘携え如何にも泥臭いが擦れ違う人影もなく何処までもマイペース平気そのものだ。

目にする自然の風物だけを愛でる、又してもモクレンの花芽ほころび今にも咲かんとす。

大きく膨らんだね、みな和気あいあい気兼ねなくマイペースで日光を浴びる、モクレンたちには互いに競い合う気風はどこにもない。

それでいいのですよ。

 

カエデ並木の小石畳には苔生す緑の絨毯が敷き詰められる、わたしは好んで其の柔らかい感触を足の裏で感知するのです。

 

柔らかい日差しの苔の道に一羽の蝶の亡骸が横たわる、まさに此の瞬間に息絶えたかのようにわたしには思えた。

そうか君は善き場所を臨終の地としたものだ、そうかそうかと労わるように目で撫でてやった。

 

君はきっと岐阜の美濃の山地で羽化し翼はためかせて白山の高い峰々を山越えし遥か平栗の地でカタクリを愛で、そして此処あすなろ公園のスミレたちに逢いに参ったに違いなかろう。

天下の「ギフチョウ」の使者が此の苔むした緑の絨毯の上に舞い降り見事にその生涯を終えましたか。

そうかそうかと目で労わってやりました。

 

今日は早春の好いお天気の日なかではありませんか。