2024-04-18 老いのひとこと 如何にもみすぼらしい出で立ちでしかも危なかしい足取りでご老体が行く。 何時ものコースを辿る、薬局屋を過ぎ自動車修理屋に差し掛かれば、偶に挨拶を交わして呉れる若きエンジニア―さんではない恐らくオーナーと思しき御方が近寄り棒切れを差し出す。 見れば此れ間違いなく小綺麗な木製の杖ではないか、「どうぞ使ってください」「お貸しするのではなく、差し上げます」と薦めてくださる。 近来極めて稀有なるご奇特なお方ではないか、其の温かいご好意を素直に頂戴してしまいました。 例のスキー用ストックを突いていればこの様な好機に巡り合うことはなかったであろう。 偶々、雨傘持参から生じた幸運なる珍事で在りました。 抜群に軽い、しかもセンスが好い節目模様をデザインした高級品に映る、取っ手の部分は精巧に加工し接着され実に握りやすい。 身内の者ではなく見ず知らずの第三者様より此のわたくしは絶好の散歩のお供の提供を承りました、篤く感謝申さねばなりません。