独り言

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案の定、巨艦「大和」は物の見事に轟沈した。
存命の者五十数名に過ぎず、大方の者たちは野田政権と運命を共に海底に沈んだ。
 
弔いの意味を込めて、NHK「Eテレ」は午後8時以降テロップを差し控えて「日曜美術館」を粛々と放映した。
次いで「らららクラシック」に至るやどうしたことかベーソンベン『第九』“歓喜の歌”特集であった。
成るほど、時を同じゅうして時々刻々として政権交代劇がまさに進行中であり、時宜に適う的中の番組編成をせしもの也と不思議にも感心したりした。
それに呼応するように、司会のお二人に加えゲストのお方三人共々裏番組の開票情報を耳にしてか終始破顔一笑何ともにこやかに『第九』を解説されていられたのには些か魂消てしまった。
本来、芸術の分野には政治的匂いは不釣り合いであるばかりではなく禁物のはずだ。
そして、俗世間から隔絶したクラッシック鑑賞の場ならばこそテロップを排した「Eテレ」の良識ある配慮には大いに肯けるところであった。
処が、それが何処かへ素っ飛んでしまったのだ。
歓喜の歌”と共に迎い入れられた新与党寄りの皆さま方には願ってもないことには違いない。
でも、何となくちぐはぐな思いに感じられて仕方がなかった。
興ざめした。
もっとも、ベーソンベンが“歓喜の歌”に託した高尚にして深遠なる意味合いは此れ又別物なのだろうが・・・
 『悲愴』の方がよかったかな。