老いぼれの愛犬日記《20》

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りりよ、ごめん
⑳ この犬は、感情表現の明暗度がとても大きかった。
一たびお気に入りでない相性の合わない犬君に出くわすとまるで発狂したかのように荒れ狂い繋いであるリードを食い千切らん勢いで噛みついていた。
リードを噛み切って相手に飛び掛からんとする猛烈ファイターであった。
イヌを知る人に言わせれば、わが家のこの犬は甲斐犬の血を引く柴犬の雑種だと話していたことを思い出すのです。
熊にでも飛び掛からんばかりの勇姿は、猟犬としてのDNAが脈々と流れていた証しです。
メス犬のくせに確かに勇猛果敢なる闘争心旺盛なるイヌであった。
わが愛犬りり君はとても女丈夫 (おんなじょうぶ)な犬であったことになる
病魔に侵され激痛に (さいな)まれる中においても極力この犬は忍耐強く耐え抜いた。
薬物が消え、断末魔の叫びを発せざるを得なかったあの折はさすがに抱きしめて (なだ)めるしかなかった
りりよ、安らかに眠ってください。