老いぼれの独り言

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                 無断掲載
 
 
もうずいぶん以前のお話しです。
參議院の予算委員会をテレビ中継していた。
正直なところ、最早どうしようもない、この世は成る様にしか成らないと諦めの境地でいました。
スイッチを捻ると民主党福山哲郎さんが集団的自衛権を追究されていた。
むかしの剣客のように結構胸がすく論客ぶりを発揮されていたので少しびっくりした。
視聴した一時だけだが確かにドラマ以上に見応えは十分でありました。
 
不勉強のわたしにはよく解からない事が沢山あったのだが福山さんは突然山本七平の『空気』論を引例に出された。
…太平洋戦争の前夜、誰しもアメリカには勝てっこないと思いつつもその場の『空気』に捲かれて無謀ないくさへ突入していった・・・
KYと云う流行語もあったがどちらかと云えば日本人は此の『空気』を読むことに長けているのでしょうか。
集団的自衛権に政治生命を掛ける安倍総理が醸し出す『空気』に悉く靡いてしまった。
孤塁を守り続けた公明党も此の『空気』に呑まれ落城いたし憲法解釈容認の閣議決定に同調してしまった。
その中にあって骨太の政治家たる村上誠一郎氏はおのれの信念を貫き通している。
或る意味、敬服に値する痛快事ではないでしょうか。
 
福山さんは堂々と横畠法制局長官と互角に亙り合いむしろ長官にしどろもどろの答弁を引き出させる場面すらあった。
憲法の番人に等しき御身の立場でありながら閣議決定素案を鵜呑みにし「意見なし」との返答をしたらしい。
此の方も『空気』に圧倒され巻き込まれてしまったのでしょうか。
日本国の存亡にかかわるような重大な政策に余りにも無頓着過ぎはしまいか。
政府案に対し法解釈上の最高のプロならばダメ押しの確認の何がしかが為されて然るべきに即座に黙認なされたとはこれ如何に、呆れ果てました。
背筋が寒くなりました。
一強多弱、絶対多数を誇示する政府与党陣営は集団的自衛権確立に向けての既成路線を只ひたすら突っ走る。
あたかも、「武力行使の新三要件」を拠り所にしてまるでお念仏を唱えるように繰り返す。
聞き飽きて耳にタコができてしまった。
同じことを繰り返すのはなく、もう少し判りやすく国民を納得させる手立てを手を変え品を変えたりして説明して戴きたい。
それが政治を動かすあなたたちの役目ではないでしょうか。
質疑が噛みあわず空回りするだけで一向に前へ進もうとはしない。
これでは面白くありません。
わたしはイライラじりじりするばかりです。
イライラじりじりしたのはわたしだけではなかった。
多くの滋賀県知事選での有権者も同じ思いであったのかも知れません。