老いのひとこと(大阪行き)

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梅田まで出て阪急京都線に乗る。


いつもの道案内人の家内を付けずに単独行動、標識を見ながら必死に歩く。


ラッシュの足並みがまるで襲い来るように追い迫り追い越していく。


みな大股で勇ましく闊歩する、おそろしく速い。


若者たちには敵わぬにしても中年諸氏は元より相当高齢と思しき方々が軽々と追い越してゆく。


そうはさせまいと必死に追い迫るがそれでもだめだ。


駅の構内は最早立派な戦場だ、熾烈なる競争の場に早変わりしている。


そうしなければ生きては行けない過酷なる切迫感が都会には満ち満ちている。


田舎にいては見出すことのできぬ厳しき生存競争の現実を見せ付けられた。


落伍するものが輩出する必然性をまざまざと思い知らされた。


取り残されまいとみな懸命にもがきながら試練の場に身を置いている。


都会人の逞しきバイタリテイは斯くして錬られるのでしょう。


 


処が、一たび歩みを止め立ちどまれば瞬く間にみなスマホを取り出し俯き加減に目線を落とし忙しなく指先操作が始まるのです。


仕事上の最新情報を模索中のお方もいられるでしょうがその大半はゲームにご執心なのだと聞くに及んだ。


それにしても、このような内向きな姿勢はよろしくはない。


日本国の将来を担う若者たちはやはり威風堂々と胸を張り正面を確と見据えて雄々しく前へ進む姿の方がずっと好いに決まっている。


此の両者はとてもちぐはぐに感じて仕方がなかった。