老いのひとこと

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土曜日の午後3時ころ高橋川を渡った扇台小グランド横の馬替地内で小銭入れに出くわした。


此の度は鳥類でも爬虫類でもない、こいつばかりはしゃがみ込んでまじまじと観察を致すわけには行かない。


正直のところ実は迷った、落とし主が気付いて取りに来るとすれば拾わずにそのままにする方がよいだろうが人でなしの手に渡る可能性も無きにしも非ずと云えよう。


落とし主の気持ちを汲み取るならやはりお巡りさんが一番よかろうと判断したのです。


最寄りの交番所へ持参した。


小銭が2903円在中でした。


若し3か月経っても落とし主が現われなければ此の拾得物はあなたの物になります。


その時にあなたは此の2903円の現金ををどう致しますかと若きお巡りさんは尋ねてくる。


わたくし戴きますとは口が腐っても言えっこない、これぞ武士は食わねど高楊枝で行くしかありません。


身寄りのない子供たちの施設へ差し出してくださいと申し上げて来たのです。


世のため人のためになる行いとは縁遠き不届き者に過ぎぬが此の際初めて人間らしき行いを為し得ました。


不肖、いい年抱えてやっと当たり前のことがちゃんと出来るようになったのです。