老いのひとこと

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些細な事にこだわる捻くれた偏屈者です。


二曲と書いて「ふとげ」と発音する。


色んな字引を見るが出てこない。


どうしても気になって仕様がないので手身近に地元白山市文化財保護課の担当学芸員に照会を申しでた。


漸く納得のいくご回答をいただき感謝いたすところです。


現存する文献が二点あると教えられた。


一つは織田信長家臣太田牛一が著わす信長公記( しんちょうこうき)でありもう一点は地元鳥越の十村を勤めた与右衛門が著わした書上帳 ( かきあげちょう )であるという。


鳥越城の城主であり白山麓山之内衆を取り仕切った鈴木出羽の守には百合姫と称する娘がいて美しい黒髪の持ち主であったのだという。


その髪は( まげ又はわげ)を二つ結えるほど長く人呼んで二髷姫つまり「ふたわげ姫」が「ふとうげ姫」と訛り何時の間にか「ふとげ姫」と相成ったのというのです


ちなみに髷の訓読みは「まげ」と「わげ」の二通りだが些か子供じみている。


二曲姫(ふとげひめ)が住み着いた城なので二曲城 ( ふとげじょう )と呼び地元の土豪右京の進は二曲右京進 ( ふとげうきょうのしん )と名乗ったし当時此の近郷近在を二曲村 ( ふとげむら )と名付けたのだという。


髷が二つ結える長髪から二曲が生じたとは驚きでした。


むだかり絡げた糸が少し解けました。


もう一つ別説があり此の地から小松方面へ抜ける山道に府峠と称する地名があり此の「ふとうげ」が「ふとげ」に訛ったという一説があることを教わりました。


二曲を「ふとげ」と読む歴史的背景が二説あることに気付かされた。