老いのひとこと

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申し分ない秋日和、気分爽快なり。


然れども目を背戸に転んずれば気分鬱陶しい。


草茫々で目のやりどころがない。


精神衛生上よろしくはないので甥御に頼んでお手伝いして貰うことにした。


否そうではない、甥御の仕事をわたしと家内がお手伝いする形で庭の手入れが始まったと云った方が正しい。


若者らしく実に手際よく片付けて行く、剪定された枝葉が見る見るうちに山となる。


家内とわたしはせっせと収納袋に収めそれを手配までして呉れた小型ダンプの荷台まで運び入れる。


病んだ足首のみならず腰が強直し肉体労働の手厳しさを痛感する。


苦痛の伴わぬ労働は在り得ません、弱音は禁物そっとおのれを宥め賺しながら気分転換を図る。


自慢の赤戸室石も風化が激しい、ぼろぼろと崩れ落ち随分と痩せ細ってきたものだ。


よく見れば何と驚くなかれ其の戸室石を住処として「榊」と「南天」ともう一つ此れは何でしょう、まさか「千両」では在るまいにひょろりと一本立ちして居座るではないか。


何れも実生には違いなく野鳥たちの遊び心の為せる芸であり微笑ましくも自然の造形美に時を忘れ暫し腰の痛みも忘れ去ったのであります。