老いのひとこと

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剣道と居合を少々嗜む端くれもの、五段審査に幾度か挑戦するも覚束なくおのれの能力には見切りをつけて彼此20年の歳月が経とう。


斯くなる者が此の際の一件について物申すは憚り多きことと存ずるがご勘弁願いたい。


我が身に見切りこそ付けたが今以って365日余程の特例ない限り竹刀と刀を握りシャドー稽古に独り勤しむ。

但し、土曜日は原則休息日といたすところです。

 


其のわけは、めそめそした弱弱しい気分を断ち斬る非ざるこころ非心を斬る為と申したい。


気障っぽいが紙屋伝心(神谷伝心齏眞光)が直心流剣術で人を斬る先におのれの非ざる心を斬れと諭した。


 


 


出世慾旺盛なるがままに功名心猛々しく上を目指した。


此れ当たり前のこと誰しも内に秘めたる人の業、とやかく言う積りは何処にもない。


ところが此処で踏み止まる( たが)が在った筈だと思う。


人としての分別・良心が在った筈にも拘らず恥ずべき邪道へ走ってしまった。



剣の理法を修練し人間形成を目前にして邪心と云う非心に負けてしまった。


金万能の此の時代に何を固いことをと主張為さる御仁も居ようが今日も全国津々浦々の町道場から少年剣士らが声高らかに唱和する道場訓が聞こえてくるではないか。


せいごうドンに登場する勝海舟の剣術の先生島田虎之助剣士の金言「剣は心なり 心正しからざれば剣また正しからん 剣を学ばんとする者はまず心を学べ」


が生きてくる。


 


少年剣士たちに顔向けできるのか何を語り何を導こうと云うのか。


 


いや、段位返上の先例も在るやに聞く。


禍を糧としてより高度の人間形成に期待したい。


そして伝統深き日本剣道をより良き方向へ導いてください。


 


 


「非切」をモットーにわたしも無を求めてお稽古致しましょう。