老いのひとこと

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今回の古文書の勉強会で講師の先生から加賀藩に於ける文書管理の一端を窺い知ることが適いとても好かった。


立場上、面と向かって明らさまには為さらなかったが暗に財務官僚による余りにもずさんな文書管理を皮肉っぽく揶揄なされた。


と云うよりも世間を騒がせた森友問題と対比させることによりより鮮明に21世紀版文書管理の恐るべき実態を自ずとクローズアップさせたことになりはしまいか。


 


 


此の史料は宇多須神社の神主が加賀藩寺社奉行宛に当神社の境内にて町方の者が余興のイベント開催を申し出ているが如何取り計らえばよろしかろうかと具申した事への寺社奉行からの返書であると云う。


当藩はどんなに些細な事であれ文書主義を貫き文書で以って申請し返書するその手順を遵守すると共に各寺社奉行間の合議更には最終的に八家たる年寄りから最終裁断を仰いだのだと云う絡繰りを教えていただいた。


特定の人物に権力が集中し濫用されることを忌避した行政組織が既にちゃんと確立していた。


だから忖度云々とか文書改竄とか隠蔽問題は立ち入る余地は寸分たりとも在り得ない。


不正防止のための月番制と合議制が敷かれ徹底した文書管理と何事も文書で申請し決裁する文書主義が貫かれいた事を豪く強調なされたのです。


封建社会とは言え法治主義に基づく行政組織が確立されていた様子が鮮明に印象付けられ大変有意義でした。