老いのひとこと⑤

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むかしの武家では跡目を相続できるのは嫡男の長子に限られていたので往々にして養子を迎え御家の存続を計った。

津田家とて例外ではなかった。

複雑怪奇な絡みからお家の騒動に結びつかいとも限らない。

その辺りの内情や経緯を詮索すれば時代小説が成立するのでありましょう。

津田家一族間の遣り繰りだけでは事が運ばなければ当然血縁なき外部のものを充てねばなりません。 

津田家の分家で三代目に武平次近友がいるが此の人物は土肥四郎左衛門の弟で土肥の姓を名乗ったのだが此の男は二代目十郎兵衛の娘を妻にして何んとか体裁を保った。

また五代目に彦右衛門がいるが此のお方は杉山新平の弟で矢張りよそ者には違いない。

ところが此の際も実は二代目十郎兵衛近久の正室が杉山織人の妹と云うことで血の繋がりで辻褄を合わせたことになろう。

 

実は三つ目の例が本家筋の第五代目に在籍した要人なる人物になる。