道すがら路傍の片隅で小菊のような野草が健気にも咲き誇る。
菊水の山道で正明先生から伝授されたハルジオン・ヒメジオンの名前が何故かしら頭脳の片隅にこびり付いて此の齢になっても不思議と忘れない。
どちらがどちらだったかは忘れ去ったが蕾の垂れ下がったのと上向き加減で両者を見分けるコツを聞いたはずだったが今はもうダメだ。
図鑑を開いて確認したが別段学術的に深い興味を抱くわけでもなし相変わらず此の両者の判別がややこしくてもう参りました。
ハルジオンのようなヒメジオン、ヒメジオンのようなハルジオンを見付けては苛立ち嘆き悩むばかりです。
何はともあれ万難を排しあの正明先生にもう一度両者の峻別法を確認しなくてはなりません。