老いのひとこと

農作業雑記

其の一

歓びと失望の落花生顛末記

馬替地内のとある農家の畑の獲り残された落花生の実を数粒ほど失敬してしまった。

それを今年の早春にポットに埋めて発芽を待った。

ところがどうしたことか1株しか芽が出なかった。

此の掛け替えのない大切な1株を大切に管理して培養した。

秋も深まりゆく、でも収穫の前触れ、葉っぱが黄色く色づく気配を一向に見せない。

10月下旬に恐る恐る掘ってみた。

何んと驚く勿れ蜂の巣を突いたのように夥しい数の実がぶら下がり居る。

さつま芋の蔓に生ずる不定根のように地表すれすれの浅い箇所に落花生が実る。

子房柄と云うらしい。

子房と花托の間の部分が地中に潜り込み子房を膨らませるのだと云う。

絡繰りはよく判らないが兎に角大収穫に目を細めた。

ところが此の歓びが一転して悲嘆から失望へとまくずり落ちるのです。

真っ黒い昆虫が少なからず這いおる、実に其の大半に黒い小さな穴があり間違いなく蝕まれているではないか。

更には実なき空砲の数が夥しい、完全に悄気返る、完全なる糠喜びであった。

がっかり落胆の淵へ真っ逆さま。

収穫期を逸したのだ、遅すぎたのだ。

大失策を仕出かしてしまったのだ。

 

それにしても1株から200粒以上の大収穫ではないか、記憶に留め置かねばならない。

 

失敗は成功の基、来年度に期して必ずや克服して見せるぞ。