老いのひとこと

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11月3日恒例の全日本剣道選手権で村上哲彦選手が愛媛県勢初の賜杯を手にした。

愛媛県警30歳五段が快挙を成し遂げた。

生粋の伊予っ子で松山の中高で学び大学へと進んだ剣士だと云う。

並み居る強豪勢を下し最後は安藤翔選手からものの見事に面技二本を奪取して初優勝を飾った。

解説者のお言葉を借りれば村上選手は遠間から左足を動かさずに右足を攻め入りながら一拍子で正面を打つ。

甲斐清治・西野悟郎両範士が説く所謂「右足攻め入り正面打」の妙技をまさに地で行く見事なる美技であった。

右足の攻めと併行して剣尖が相手の突き垂に攻め入る刹那の一瞬をスロー場面では老生の目にも確認できた。

此の打突は最早錆びた体躯と化した小生にとっても羨望と憧憬の的たる永遠の課題として今以って試し居る事でもある。

 

テレビの前で喰い入るようにその技に魅入り見惚れた。