老いのひとこと

一人立ちしているつもりだったがわたしにはやはり支柱が要るようだった。

ところが其の支柱が突然にも捥ぎ取られてしまった。

支えが無くなり平衡感覚を失い同時に気力させも失いかけた。

生ける屍となりかけた。

おのれの非力さ無力さ不甲斐なさに今更のように気付かされた。

心の支えが有ったらからこそ日常の様ざまな日課を難なく果たせたことにも気付かされた。

 

それでも改めて体操の仲間入りを、外歩きを試してみた。

支柱を失い気力のバランスを失いおぼつかない足取りながらも兎に角足を一歩一歩踏み出さなければ前へは進み得ないことに気付かされた。

目にする万物から夫々異なる霊力と云おうか不思議な力を頂戴しながらゆっくりした足取りで歩く練習を為さねばならないことに気付かされた。

 

さあ明日から此の練習を始めねばならない。