老いのひとこと

先日のことと或る著名なる前衛書道の大家のお方が来沢為され拙宅前の路上に大した大作を揮毫されて行かれた。

名も告げずにそのまま立ち去られ惜しいことをしたものだ。

せめて色紙にサインでも戴きたかったのに失策でした。

 

と申し上げたいほど独創的な抽象文字を縦横無尽に書きなぐったアスファルト路面の字面に見惚れた次第だ。

長年の風雪には耐えきれずに路面に生じた亀裂のような裂け目を業者さんが補修されたに過ぎぬ出来事かも知れぬが見飽きることのない天然の造形美に驚きの目を注いだのです。