農作業雑記
其の一
旬の初物を収穫した、たったの胡瓜一本と茄子二個に過ぎないが何ものにも代え難き貴重品だ。
早速家内は糠床を調達し我が家伝来の夏の風物詩、小糠漬けが食卓に載った。
此の世に斯くも美味いものが在ったとは、日本人である至福の一時を賞味した。
其の二
草が繁茂する荒地を手荒に三角鍬で薙ぎ倒せば意外な植物に気付く、紛れもなくイチゴではないか。
怯えて縮こまる憔悴しきるイチゴの小株ではないか。
こんな草むらに自生するとは何か特殊な因縁が在ったのであろう。
手厚く保護し別の箇所へ移植してやった。
奇跡の生還イチゴに幸あれ。
其の三
諦めていた五粒の落花生が一株だけだが奇跡の発芽を遂げて呉れたようだ、嬉しいことだ。