老いのひとこと

元来読書は苦手で下手くそだ、資本論も貧乏物語も源氏物語も理解できない二三行でお手上げだ。

悔しいけどどう仕様もない、兎に角積んで置くだけの安っぽい気休めを求めて営々と此の齢まで積み重ねつづけた。

脳裏の隅っこに何れかには鋭気を囲って再挑戦しようとでも思ったのであろうが何時の間にか終末期を迎えてしまった。

一部公的機関へ寄贈もしたが決して喜ばれはしないことを知った一切返礼すらない、そんなことを期待してはいけないのだ。

幼い孫たちからも有難迷惑だと軽くあしらわれるのがオチなのだ。

でも有無を言わさず貰い受けを強要せざるを得ないものは別扱いにして残部の古臭い蔵書は如何致すべきか考えあぐんだ。

最寄りのCOOPいしかわの「エコぽす」が一番手っ取り早やかろうがしかし何となく能のない仕草に思えて来た。

今ちまたの彼方こちらで盛んに喧伝する「NET OFF」にちょいと立ち止まって目を遣る。

甘言に騙され嵌まる危険がないか無い頭を振り絞る姿が如何にも滑稽だ。

段ボール箱6個無料提供とある、果たして此れ本真ものだろうか。

勇気を振り絞って試してみようかな、どうしようかな。

痛い目に遭わねば好いのだが。