老いのひとこと

35日分の薬が宛がわれる、呑まずば寿命縮まろうと呑まざるを得ない。

美酒ならば好んで呑みましょうが不本意ながらしぶしぶ喉を通す。

それ故に薬は苦い筈にも拘らず今どきの薬は気持ち悪いほど甘ったるい。

苦ければ良薬の資格も得ようが「悪薬口に甘し」と口に致したくもなる。

とは申すものの五体は整いよろけ乍らも杖無しで歩けるのも此れひとえに薬のお蔭と言わざるを得まい。

口惜しいが確かに一理は在ろう。

幾ら強がりを申し立てても所詮は薬のお蔭で生かされて居るのだから素直になりなさいと天国の母が諭し居る。

薬漬けの人生、此れも楽しからんや。

必要悪として受け入れんや。