老いのひとこと

剣の先人から給わった忠言に大きな声を出せがある、天井が突き抜けるかの如き、又一里四方に響き渡るが如き盛大なる発声が兎に角求められた。

剣技至らねども気と掛声だけに精進いたしたことを思い出し、あの時も無闇矢鱈とデッカイ声で唸り且つ絶唱した。

場はシラケたように静まり返り恰も凍り付いたような感あれども会場からは拍手が少なからず湧いたので安堵せしことを覚えている。

何の取り柄無きものが禮を尽くし誠を尽くさんと精々声だけでもとお別れする森先生に贈った筈なのだ。

 

 

とかく此の世のテレビに大写しされるベテランコメンテーターの大方は実に無慚だ、お口をしっかり開けろと一喝したい。

もぐもぐ致せど音声不明瞭で意味不明な念仏を唱え居るだけではないか。

最早、此れは憐れとしか言いようがない、歯抜けジジイたちよ偉そうなことを言う先に発声練習をみっちりし給えと声を大にして叫びたい。