老いぼれへぼ教師の回想記《84》

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企業見学レポート=その4
 
1 トヨタ自動車工業株式会社(4)
 
 次いで、工場見学に接したが、当初はエンジン部門を生産する上郷工場を予定されていたが、都合で急遽高岡工場に変更された。
 よって、カローラ、スプリンター、ターセル、コルサの生産ラインを目の当たりにできた。
 種々雑多な金属音に包まれた活気溢れる工場内には、各作業者の真剣な眼差しと立ち居振る舞いが熱気を伴って伝わってきた。
 一人五メートルの分担区域を表わす点線と頭上に走る紅白の二本のロープ=「自動化」はこのロープの事かと認識を新たにした。
 無造作に置かれた机と椅子が随所にみられる。
 Q・Cサークル活動の現場そのものに違いない。
 しかし、工場内は心なしか、やはり「モダンタイムス」を彷彿させる。
 生産の真の主体は人間なのかマシンなのか、考えさせられる場面でもあった。
 このような、ものの見方、考え方は素直さを欠く要素を過分に宿しているのだろうか。
 そのようなことを隠蔽しカバーするために「トヨタ生産方式」が存在するのか。
 このような見解は余りにも皮相的すぎるのでしょうか。
 最後に、会社差し向けの車で、名港埠頭まで赴く。
 三万台の収容能力を誇る広大なる敷地にまるで豆粒のように立ち並ぶ車また車・・・
 自動車戦線の最前線にしては、余りにも静かで美しすぎるではないか。
 つい先ほどまで、在庫の無駄を強調された両氏の言葉の余韻が、間違いなくわたし耳にはまだ残っていた。
 違和感は、そんなところにもあった。
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