老いぼれへぼ教師の回想記《87》

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                      わが家のボーンチャイナ(?)
 
企業見学レポート=その7
 
 
3 株式会社ノリタケカンパニーリミテット
 
 セット価格にして12万円に及ぶノリタケボーンチャイナに代表される高級洋食器メーカーである。
 製品の51%が輸出向きと海外志向が極めて強い。
 既に、アメリカ合衆国・オーストラリア・カナダなど8か国へ製造工場が進出し、約110ヶ国へ販売網を広めている。
 一方、国内需要は全国一流デパートやホテル、レストランからの引き合いがその大部分を示している。
 いずれにしろ、特殊な販売ルートが確立されている事には違いない。
 創立が明治34年と厚い伝統に培われた
高級洋食ブランド品一筋に歩んだ道から『良品・輸出・共栄』なる社是が生み出されたことは十分に肯ける。
 従って、こと品質管理には遺漏なきように万全を期している。
 原料の厳選ぶり、とりわけ陶土の一つであるカリオンにいたってはその輸入先すら口外することがなかった。
 況してや、その混合比とか形成段階でのサイズのコントロールや乾燥の度合い、焼成時の温度並びに時間調整、グレージング(油かけ)のテクニック、上絵の強度、カドニューム等の有害物質の含有率、吸水率の差異等々実に多肢にわたり品質基準や安全基準の厳格な内部チェックを自らに課しているとの熱弁が延々と続いた。
 浅香勤労部次長の品質管理に関わる解説は留まることがなかった。
次いで、人事課の吉野氏よりモデルプラントについて丁重なる案内を戴いた。
 この会社は、昭和14年当初に工業用研削砥石の製造を手掛け、昭和45年には電子部品部門に進出し、また最近においては環境機器への研究開発と随分守備範囲を広めた。
 更には、中日スタジアムと中日ドラゴンズ球団との合弁事業として、わが国初の屋内野球場建設がまさに軌道に乗らんとしている。
 オリンピック招致への一布石とも読み取れる。
 当社は、このように新しい分野への積極的進出で多角化の効に期待し活路を見出さんとしている。
 
 オリンピック招致もへったくれもなかったですな。