老いぼれの独り言

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菊水町の集落は内川ダム建設とは裏腹に消滅した。
廃村の憂き目を見たことになる。
この集落から人気が絶えて分教場も姿を消した。
ところが何時とはなしに恰も蕗の薹が残雪の下から顔を出すように誰彼とはなく別邸か別宅なのか仮住まいできるセコンドハウスの建設ラッシュを呼び込んだのだという。
その数三十戸に及ばんと云う勢いは最早石川県下では最大の山村集落に躍り出てしまったのだという。
内川の清流わきに佇む小西清君の別荘に今まさに招待された訳だ。
彼は昔から実に几帳面な男で家の造りの随所随所に独創的アイデアが生かされている。
玄関先では蝋人形如き物体が歓迎の挨拶をしてくれる。
大屋根の庇には大時計が時を刻み、掲示板のような伝言板がやたら目につく。
自家発電機が三種の神器を見事蘇らせている。
オーデオセットもあるしDVDもOKという。
ただ一つ悩ましいのがヘクサンボー(屁くそ君)のお出ましなのだがその折の唯一の兵器たる電気掃除機が吸引してくれることになる。
もっと驚いたのが、清君は各部屋ごとに意匠を凝らした独自の画廊を展開していることなのです。
わが愛する永遠の故里「菊水」町の出来事ニュースの類いをスクラップし装丁し額縁に入れて展示するのである。
記念写真や珍獣のスナップ写真ありで決して退屈することはないのです。
終日、懐古の談議に花が咲いた。