うらなりの記《121》

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第四章まとめ
 
㉘奇しくも、正純・鉄二・利治三兄弟の墳墓が藩主前田家の墓地の周りに在るのも或いは封建遺制のDNAの為せる業なのか。
 城主への限りなき忠誠心、揺るぎなき忠義心、世界に誇るべき日本人の正義の心情は如何に往時には足軽と呼ばれる弱輩者軽輩者であったしろ高橋家の先人たちは先祖代々営々としてその心の何たるかを子々孫々に継承してきたのでしょう。
無論、津田家のそれは幾千倍をも倍加した威容を誇って野田山にでんと君臨している。
 
斯くして、われ等一族の者たちは寺町台地から其の一角に懸けて高徳院殿を取り巻くように布陣しているのです。
呆れ果てた馬鹿げた発想と笑わば笑いなさい。
われらは今以って偉丈夫に威厳を保ちながらこれからも居座る覚悟を今新たに致すのです。