老いぼれの独り言

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わたし自身がそうであったように孫も読書感想文に呻き苦しんでいる。
実は、むかしのわたしが感想文の題材に何を選んだか皆目記憶がない。
憶えているのは作者の序章と終章を適当に繋ぎ合わせて誤魔化し先生からこっ酷く扱かれたことぐらいしかない。
何んと同じ轍をわが孫くんも踏んでいるではないか。
先例を見習い子から孫へと代々悪習が引き継がれているとは恐れ入ります。
豪傑者のわが孫くんは原稿用紙はちゃんと持参するものの肝心の書物は持っては来なかった。
それで、手持ちの児童用図書を数冊宛がって読みたい書物を捜すように促がせばどれも読みたくないという。
「日本昔話」も「彦一頓智ばなし」も見事に拒否されてしまった。
それで、泉野図書館まで赴き図書選定を促がすが余りの多き冊数に圧倒されたのか得るところなく退散せざるを得なかった。
そこで、窮余の一策としてわたしはアマゾンより一冊をネットショップした。
セミ大嫌い人間をセミ大好き人間へ変身させ改良を計るべくわたしはファーブル「昆虫記」に絞り込んだ。
わが孫の読解力を最大限に考慮しマサくんには申し訳なかったが思い切って幼年版に致したが結果的にはそれは大正解だった。
ところが、ここからがこれまた大変な泥沼戦に陥るのです。
連日連夜の悪戦苦闘が展開されるのです。
89ページのご本を読んだという。
何が書いてあって一番面白かったことは尋ねても答えは返ってはこない。
元よりフランス語の原書ではない、大きな活字の幼年版だ。
でも、その活字そのものにある種の拒否反応を示し網膜にアレルギー症状がでるのでしょうか読解力が脆弱過ぎる。
繰り返すうちに双方疲労困憊、困り果てた頭脳が一層混濁して挙げ句の果ては双方による共同作品を俄か仕込みに致し、孫はそれをせっせと鉛筆を走らせ清書し完成させざるを得なかった。
担任の先生が目を通せば瞬時にして化けの皮が剥げようが最早この際は一向に構わないのです。
達成感とか成就感には程遠い、孫とて同じ境地ではなかろうか。
まさに好い加減な教育が粗製乱造されていく現況を生報告したにすぎない。
恥ずかしい限りです。
かくして、夏休みが過ぎ去ってゆきました。