決して優勝トロフィに執着心を抱くわけではない。
目の前の直ぐ其処に転がっていたのでつい制作心を擽すぐらされてしまったのです。
ところが、素焼きの段階で既に4つに分割されて粉砕の憂目に出逢ったのだが、兎に角諦めずに執念を以って復元作業に当たってみたことになる。
偶には諦めることなく我を張ってみるのも悪くはない。
然る後に、陶器用の接着剤を都合よく駆使してくっ付け合わせたわけだ。
其の上に金粉塗料を漆剤とシンナー液で薄めまんべんなく塗りたぐったのです。
斯くしてトロフィー部分は見事黄金色に光り輝いたのです。
近付いてよくよく見れば傷だらけの栄光だとバレテしまうのだが離れて捉えればド素人陶芸界に金字塔を打ち立てと云っても過言ではない出来栄えではないか。
わたし好みの禅語「吾れ唯足るを知る」を台座に書き入れて趣きを益してみたと云うのだが如何様に自画自賛しても只々其の魂胆が見苦しい限りなのです。