此れ巨大なる「硯屏」と申すものなり。
少なくともわたくしの日常生活の場面には縁なき代物である。
硯のかしらの上方に衝立のように置いて塵や埃を防いだものらしい。
机の上を恰好よく見立て引き立てる為の装飾品の一つであったのでしょう。
絢爛豪華な王朝文化の象徴ごとき此の「硯屏」に左程の由縁もなくただ何となくチャレンジしてみる気になったのです。
どう見ても実用に供する事は出来ぬのをよくよく承知した上で敢えての挑戦でした。
県鳥「イヌワシ」が飛翔する瞬時を捉えた地元額中の校章と裏面には同校の校訓を刻み込んでみたのです。
二枚のタタラ板に表面と裏面をそれぞれ作りそれを貼り合わせてみました。
いろいろ試行錯誤する訳には行かず無い知恵を絞っての一発勝負しかない。
わたしにすれば随分の大作であり労作でもありました。
粘土の乾き加減との勝負でもあり時間との戦いでもありました。
卒業制作みたいものでした。