8 おわりに
いずれにしても、わが母方津田家は途方もなく高貴にして格式高き家柄であったことがいやが上にも知り得た。
恐れ多くて近寄り難き威圧感すら覚える次第である。
現に此の一族からは多士済々の博学多才の逸物逸材が傑出した。
まさに畏敬の念を抱かざるを得ない。
恐れ入る次第なのである。
やはり、幕末動乱期特有の傑士が輩出する時代的土壌と背景が吾々の身近なところにもあったのかも知れない。
幸いなことに吾等は、これをバネに真摯に前向きに生きて行かねばなるまい。
或る意味では誇りに思い励みにもできよう。
しかし、決して驕り高ぶることなく、逆にいじけ畏縮することもなくおのれたちに宛がわれた領分を抜かりなく地道にしかも堅実に固めて行くしかない。
この小編を纏めるに当たり津田美樹ちゃん、充ちゃん、宏くん、舟田敏氏、玉川図書館近世史料室、石川県立図書館よりご協力いただきました。お世話いただきましたことに厚く御礼申します。
加えて、遠藤高璟直系の遠藤金吾氏とも接点を持ち得て本稿に只ならぬ厚みを提供してくださいました。
感謝申したい。
処が惜しむらくは此の金吾氏は遂先日のこと106歳の天寿を全う為され他界なされてしまわれました。
母方曾祖父に当たる津田近吾の実母「鉚」さんの耳元で金吾さんは何をこそ語られていらっしゃいますことか・・・ 終