老いのひとこと

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先日、清荒神清澄寺へ参った折に境内の一角に史料館があって「賀寿―長寿を祝うー」をテーマーに天下の名品秀作が幾つか展示されていた。
その中には第10代大樋長左衛門の赤茶碗もあったのだが荒川豊蔵の酒盃が目を引いた。
 
剣道には見取り稽古がある様に陶芸にも盗み模写があってもよいのだという。
鉄斎も蓮月も悪びれなく他人の秀作を模写することにより独自の世界を独学で樹立なされていかれたと聞く。
 
ならば、わたしも大っぴらに真似をしてみようと六角盃のぐい吞みを作ることにした。
創作意欲涌きいずるを待って挑んだのだが設計図もなく段取りも考えずに只闇雲にたたら板を切断し張り合わせていた。
ぞんざいでいい加減な性格丸出しで恥ずかしい限り。
馬鹿でかいぐい吞みで我乍ら呆れ果てた次第、これなら植木鉢に丁度いいではないか。
期待値以上の収縮率に望みをかけるしかない。
黄色い色化粧土を塗り手繰って仕上げまでの工程では綿密なる微調整を加えながら傑作の域に少しでも近付けるように励んでみたい。
このように小さき望みに夢を託して細々とわが余生を精一杯に生きるのです。