今回の教養講座は真言宗のお坊さんから「白山を開いた人」の講題でお話しがあった。
「白山を開いた人」と申せば確か泰澄さんで今年は白山開山1300年の記念の年でもある。
その泰澄さんを真言宗のお坊さんが取り上げられたことになる。
泰澄と真言宗とは直接つながりはなさそうだ。
にもかかわらず今日の真言宗のお坊さんは何ゆえ泰澄について語るのだろう。
お話を伺いながら少しづつだんだんと判って来たのでした。
つまりは泰澄さんは越前の国のお生まれで修験道の修行で平泉寺から越前禅定道を辿って白山を登られた。
それが717年(養老元年)なので今年は丁度1300年目に当たるというわけだ。
と同時に此の717年の年に泰澄は小松の地に那谷寺を建てられたのだという。
つまり今年は那谷寺開創1300年祭にも当たるわけなのです。
其処へもって大事なことは、此の那谷寺は1640年代の三代藩主利常の御代に高野山真言宗別格本山の異称を戴きそして今日に迄至るのだというのです。
此処で漸く真言宗のお坊さんが泰澄さんのお話を為された理由がはっきり判って来た。
難しいことは全然わからないがちっぽけな人間が聖なる霊山白山の大自然の中に溶け込み呼吸を共にしながら仏のお告げを聞いて大きな悟りの境地を体得した。
生意気ながらもそれは泰澄さんにも空海さんにも共通する悟りの境地であったのでありましょうか。