老いのひとこと

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自慢ではないが「積ん読」の名人は同時に「遅読」の名人でもある。


つまりは端的に申せば読書が苦手で下手糞なのです。何分人一倍の見栄っ張りと来るので本棚には読まない本をうず高く積んで置くだけの見せ掛けの読書家が此処に一人居るのです。


嫌な奴です。


そんな嫌な奴ではあるが此のわたしにも持ち時間がだんだん切迫する。


狭まり行く先が見えて来るに従い焦りの気持ちが少しづつ沸々と湧きいずるのです。


明らかにもう時間がないことに気付き始めたのです。


先日の事、慌てて積んで置いた書物を一冊取り出して読み始めたではないか。


まともには勝負出来っこないので手廻しよくちゃんと「あらすじで読む日本の名著」を早々と準備しておいた。


其れをせっせと読み始めたのはありませんか。


情けないったら有りやしない。


表紙には日本文学の名作が二時間でわかると銘打つ。


コン畜生、「遅読」の大名人には二時間が何と六時間も掛かったではないか。


悔しいやら恥ずかしいやら腹立たしくもあったがじっくり熟読いたし地獄の門前で閻魔大王さんの口頭試問にも何とか間に合いそうだ。


今からでも遅くはないぞ、NO、2 NO、3もあるぞ、世界の名著も待ってるぞ。