鶏小屋の御主人こと気風の好いやっすさんは少々足腰が不自由なのでしゃがみ込んだ作業が難儀なのだとおっしゃる。
それで此のわたしがお手伝い役としてジャガイモとサトイモの種イモを植え付けることになった。
農業実習生に違いない。
個数は20個足らずなので然程の苦労が伴なうわけではない。
そして今日は耕運機の入った箇所に畝を作ってみないかという。
畝作りの実習生に早変わりです、畝を作るというより畝と畝の間の通り道を作ったといった方が早い。
とんでもない重労働で二畝だけで勘弁願った。
もちろん、自分の畝のスコップの掘り起しと追って鍬を打ち、石灰を撒いてまた鍬を入れもう一度基肥用の馬糞堆肥を施し更に鍬を振り下ろす。
百姓は豪いですわ。
老躯には確かにきついが振り下ろす事には慣れている。
御主人から貸与された武生の越前打ち刃物による特製の軽い鍬はとても使い勝手が好い。
思い切りよく振り込めば大きな土の塊をスパッと切り砕くではないか。
まだまだ大小の土塊( つちくれ)がごろごろ転がるが通気性は何より抜群なのであります。
もう一度化成肥料をまいて鍬を入れいよいよ連休には茄子胡瓜の植え付けだ。