老いのひとこと

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漸くにして部分入れ歯が仕上がり着用するが違和感が著しくしっくり来ない。


しっかり顎を上下させ噛み合わせをするが


我が口内に突然人工の異物が闖入したので拒絶反応を起こしたようだ。


今度は看護士さんが取り外しを試みるが取れない抜けません。


強引に遣られれば貴重なる数少ない支柱の歯まで抜けてしまいそうだ。


此れでは堪らんと悲鳴を上げれば先生はグラインダーで研磨し調整なされ何とか脱着ができるまでに扱ぎ付けた。


入れ歯洗浄剤と義歯用歯ブラシまで宛がわれ先ずは入れ歯に慣れてくださいとくれぐれも念を押される。


最初は気持ちが悪くしゃべり辛くとも我慢しなさいとの激励を何度もいただいたのです。


昼飯時がやってきた、恐るおそる素うどんを口にするが噛めない柔らかい筈のうどんすら噛み切れないではないか。


確かに五本の義歯が宛がわれたが上の歯との噛み合わせが巧くいかない。


期待感が大きかったばかりに失望感がもっと大きい。


お医者様には申し訳なく存ずる次第ながらこればかりは如何ともし難い。


悪いのは歯を欠落させてしまった此のわたしにこそ落ち度があるのです。


 


それにしても落胆の度合いが余りにも大きかった。


馬鹿げているが入れ歯を取り外して食事を済ませ昼食後に入れ歯を施す笑えぬお馬鹿さんが此処にいる。