老いのひとこと

イメージ 1


イメージ 2


イメージ 3



あの大雪の際に雪を空かしながら家内は雪もろ共スコッパも一緒に横の川に投げ捨ててしまったという。


それこそ30年以上長持ちする旧式スコップだが愛用の品なので救い上げてほしいと云う。


冬の川に入るのも大儀なので地上より釣り上げるしかないと作戦を練った。


ところが作戦が甘かった、雨傘の取っ手に最初から気付けばよいものをそこまで知恵が曲がらなかった。


針金を束ねて巨大な釣り針を作りそれで試みるが水流に押されておいそれとは事は運ばない。


試行錯誤を繰り返すうちに漸く獲物が来た、水面近くまで魚影が現われたが取り逃がした。


天下の公道で大の大人が巨大魚と格闘するので道行く人も怪訝そうな顔つきで覗き込む。


自動車を脇に止めて降りて来る御人もいた。


釣り人が如何にも真剣そうで笑みさえ見せぬ真剣さで取り組むので猶の事興味を惹いたのでしょうか。


上手いことに取っ手の三角部分が顔を出してくれたところで針と共に糸がぷっ切れた。


此れにて勝負ありだ、家内は雨傘がいいと云うので釣竿に雨傘を括り付け見事獲物を引き上げたのです。
おんぼろとはいえ命を救ったことを共に讃えあった


諦めずに遣り抜くことの大切さを今更のように共に学んだ。