津軽海峡を渡る⑧
7/20金曜日
想像を絶する認識の甘さに我ながら呆れ果てがっくりと首うな垂れる。
途中下車し渓流の景観を愛でた時も水流の向きまで吟味するまでもなかった。
天と地を逆さまに見ていた大馬鹿者が此処にいた。
やはり「バカは死ななきゃ治らないアホは死んでも治らない」
わたしは間違いなしにアホの類だ。
奥入瀬渓流を見た以上は黙って見過ごすわけには行くまいぞ。
其処には見晴らし展望台が在り直ぐ真下には十和田の湖面が見事に捉えられた。
まさに絶景なり、其処にはわたし以外誰もいないことを確と確認した上でわたしは有らん限りの声張り上げて絶叫していた。
「トワダよーサラバー・また来るぞ」と云わんと致せば息子が息を切って展望台に現れ「親爺どうした!」と激しく諌める。
柵もろ共崖下に落下した叫び声に聞こえたではないかと真顔で言う。
発狂音を耳にした他の観光客も本気で狼狽えていたのだと云う。
わたしにすれば得難い感動をもろに表現したまでと申したいが又しても年甲斐もなく傍迷惑を仕出かしたものだ。
大いに反省したい。
湖岸の桟橋で太公望が糸を垂れる。
ヒメマスを狙うのだと云う、先日は50センチ級を仕留めたと云う。
ルアーではなく生餌ブドウ虫が好いのだと云う。
釣果をお祈りし帰り際にシャッターをお願いしたら快諾してくださったのでとても気持ちが好かった。