老いのひとこと

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隣町の公園でラジオ体操に興ずる。

嘗ての占有地は長らく藤棚に近い桜の樹の下でしたが最近は足場の好いテニスコート脇に替えた。

わたしの体操場のすぐ横に公衆トイレがある。

市が設置した自動点灯設備の付いた最先端トイレで何よりも身障者専用のスペースまで有する。

或る日の事、ご近所の古老から一つの情報が齎された。

声を潜めるようにして「あのトイレに外人さんが常駐している」と話されるのです。

日中は何処かへ仕事に行くらしく不在だが夜間はあの内鍵の付く身障者用スペースで休んでいるらしいと明かされた。

穏やかそうな風貌のアジア系の外国人だという。

今現在もその中に居られるらしいというので此の物見高き此のわたしは検分のため足を忍ばせ覗いた。

勿論内カギで扉は開かないが電灯の光が洩れる。

 

最近では話題が遠のきニュースにも聞かなくなったが外国人技能実習生の実態は今も消え去ったわけではあるまい。

間違いなく彼の実習生は此処金沢市内にも実在なされよう。

調べてみれば市内に16か所、此の近辺にも額乙丸・寺地・横川に受け入れ協同組合称する監理団体があるらしい。

人種や国籍に関わりなく公衆トイレは等しく利用は適うだろうが彼らとて等しく人権を有するはずだ。

希望を抱き親元を離れ異国の地で働く若者がこれでは余りにも不憫ではないか可哀想すぎではないか。

こころある為政者はいないのか。

政治の貧困の一断面を見るような気がしてならない。

 

新しい情報ではお二人いらっしゃるらしい。