老いぼれの独り言

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隣町に在る公園の一角に周辺在所の住人たちが三々五々寄り集まって朝のラジオ体操に打ち興ずる。
主力はご老体の方々ではあるがその情報源は口コミに外ならずわたしとて例外ではない。
春の頃には数人をかぞえるに過ぎなかったが今や十数人に膨れ上がったのだという。
さりとて格別の馴染みたちの寄り所帯ではなく軽く会釈を交わす程度の淡白な間柄なのだ。
さらりとした都会的センスの良さを覗わせる。
どうも中を取り仕切る発起人らしきお方がおられる。
元商店主で根っからの世話好き、サービスセンスは板についている。
とにかくモットーは年中無休、そのサービス精神たるやただ者ではない。
雨が降ろうが吹雪だろうが盆も正月もなくその一徹さには舌を巻く。
わたしは雨の日はさすがに遠慮申し、また雪の日は未だ知らない。
そう云えば園内の片隅に実にみすぼらしい東屋らしき建物がある。
恐らく球児たちの雨宿りに供される物なのでしょう。
従って、雨天時のラジオ体操には如何にも狭すぎてせいぜい四、五人が限度らしい。
そこで、その世話役のお方は是が非でも雨雪時の収容人数を増員させたい達ての強い願望の持ち主であることを漏れ聞いた。
此のラジオ体操が公園活用の先駆的かつ画期的先例となって大きく前進することを願ってわたしは彼のお方に半信半疑の思ひながら今様の『アダプト』なるものの存在をそっとお話して置いた。