老いのひとこと ⑥

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わたしの実母、旧姓津田としの血筋を遡れば津田一幽に至る。

此の津田一幽家の本家は8代目近三で以って血筋が途絶え廃絶した。

分家筋は辛うじて生き延びて其の末裔が此のわたしに他ならない。

系図を見る限りわたしと津田本家とは血の繋がりはない。

津田本家の4代目平太夫に跡取りが居なかった。

一族の中に適う人物が居なかったので外部より今枝要人(かなめ)を養子として迎えた。

津田家の血統に今枝家の血統が渾然一体として合流した。

高が500石ばかりの平士の分際と片や八家に次ぐ人持組筆頭とは全く家格が違う。

常識では想像も付かない縁組と云える。

今枝家の家系に造詣深い彼のFUNADA氏も首を傾げる。

少なくとも明言できることは津田本家の5代目として要人が確と君臨し6代平左衛門近英、7代目和三郎近知までは血統を繋げて呉れたことだ。

諸士系譜を見る限り要人の正室は不詳、今後の精査が待たれよう。

更には此の津田、今枝両家の謎めいた縁組の背景等も解きほぐさねばならない今後の課題だ。

両家の縁組を取り持った人物は一体誰だったのだろうか。

要人の実父今枝恒明の実像から推して果たして両家の何れに弱味や引け目が在ったのだろうか。

義理立てをするような必然性が何処かに隠されていたのだろうか。

ウインウインの関係が成立するとすれば如何なる事情が考えられましょうか。

解きほぐすべき課題がたくさんあるのです。

恐らくは数多くのクエッションマークを抱いたままTheEndを迎えることになるのでしょうか。