老いのひとこと

此の家を建てたのが1982年なら築41年になる。

その間、白アリに二度にわたり襲われた記録が此処に在る。

 

発注した「石川白アリ研究所」が発行した二枚の保証書があり見れば間違いなく今年2023年は五年間の保証期間が終わることが判る。

図らずも期せずして或る日電話が入り念のために点検すると言う、費用等は一切掛らないと言う。

家内は何の疑いもなく受諾し約束の日に業者さんが縁の下へ潜り込んだ。

白アリは確認しなかったが屋台を支える柱の一本が外れそうで補修が必要だろうと言う。

撮影した写真を見せてそう言う。

わたしは咄嗟に其のデーターをわたしのPCまで送付願いたいと申し出れば、その必要はないと言う。

近日中にプリントアウトして紙写真を届けると言って帰って行った。

その時点まで家内もわたしも微塵の疑いもなく此の業者は「石川白アリ研究所」の専属職員若しくは専属下請け業者と信じて疑わなかったのだが彼らが立去った後家内は「あれっ名刺がない」と今更のように気付く。

早速、家内は「石川白アリ研究所」へ経緯を問い質そうと電話したが全く通じない、内々倒産した可能性を漠然と知る。

 

当該業者は倒産した企業の顧客情報を入手し建築業者と結託の上高齢者世帯の家屋補修を密かに企んでは居は仕舞いか。

彼らは所在を晦ますために名刺は一切不要なのだ。

 

とにかく此の世は油断も隙もない何んと味気ない世なのだろうか。