老いのひとこと

終活終活と周りがうるさい取り分け新聞の雑誌広告欄が終活を急き立てる。

気にはしないとは言うものの正直のところ矢張り気にはなる。

法律上の手続きも然ることながら何んと云っても身辺整理が問題だ、最大の難敵は蔵書ならぬ雑書の処分だが此ればかりは一向に捗らない。

何の苦もなく自主的に取り組めるのが何故かしら骨壺なので不思議だ。

いや不思議でも何でもない陶芸品作成上恰好の制作材料となるからに過ぎなかろう。

 

陶芸教室の秋の講座再開を機に先ずは此の骨壺作りに精を出す。

最もシンプルに手ロクロの上の粘土に親指を突っ込み指の感覚だけで成型した。

粘度の重みで胴から腰に掛けてずんぐり垂れ下がる、バランス感を失い見苦しいのでヘラ板で腰の部分を扱く打つ叩いて活を入れる、シャキッとするまでしごき抜いた。

蓋の取っ手に人物像を添えた、おのれの彼の世での面相を想定した、微笑が好かろうと表現したかったが巧く行かなかった。