うらなりの記《47》

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 からっきし法律のことは分からぬのだが、その人が死亡すれば戸籍から除外(除籍)され、さらに八十年経過すれば日本国籍を剥奪されるのだという。
 その人の意思に関わりなく日本国籍を失う。
 つまり、戸籍上は日本人でなくなってしまうという事です。
 何となくむなしい。
坂の上の雲”のあの時代を生きたあの人たちもみなそうだと思うと益々むなしい。
 

その四 母とし(2)
 
津田家の人たち=その2
 
 
 津田家の戸籍謄本に従えば津田全の前戸主は明治七年生まれの実父津田全二、その先の戸主は全二の実兄津田辰太郎・明治元年生まれの人である。
そのまた先代の戸主は辰太郎・全二兄弟の実父弘化二年(一八四五年)生まれの津田近吾となり、その更なる先には津田清三郎なる人物が現れるが戸籍簿あるいは除籍簿を見る限り姓名以外一切不詳なのである。
清三郎死去に伴う除籍より八〇年を経過したものは法律により日本国籍より抹消される定めがあり如何ともし難いのである。
 斯くなる以上は妙典寺にて過去帳を紐解く以外方策がない。