うらなりの記《95》

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(財)石川県教育文化財団の呼び掛けに応募しのだが、掲載されることを辞退した母へのエッセイを、見苦しい限りではあるがさらに続けねばなりません。
 
 
母よ
           
 私は七十七歳、わたしが二十歳の時母は数え五十歳で死去した。五十数年前に五十歳の若さで母との別れがあった。
 従って今年は、母生誕一〇四周年目に当たる。
 それで、私の生存中に私の兄弟を始め妻と子や孫へ私の母の姿を是が非とも留め置きたい衝動に駆られた。
 細やかながらも、私だけの私的文化遺産に過ぎぬものだが、やはり未来へ継承せねばならぬ思いに至った。
 依然として今以って、仮面を脱いだ裸像を追い求めている次第なのです。