老いぼれの犬日記《29》

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どうしても気になってコースを「なでしこの丘」寄りに変更し様子をうかがうのだがここの所姿を現すことない。
奥の方にお隠れになったままチェーンだけが無雑作に横たわる。
 半開きのシャッターの前には何と外でもない乾涸びた排泄物がころがっている。
 重なり合う日もあるがウサギの糞のようにコロコロした丸いのが伍つ六つころがる日もある。
 飼い主は給水と給餌は施している何よりの証拠の品ではあるが余りにも不憫だ。
 恐らく、歩行が儘ならず寝たきりのまま放置されているのだろう。
虐待とまでは云い難いが公の機関で救済救助、愛護の手を差し伸べて頂けないものだろうか。
他人事ながらもどかしさが募る一方である。
体外へ排泄した物体で周囲の者たちに懸命に何かを訴え続けているのだとしたら、こちらも息が詰まるくらい苦しいのです。
それをただ傍観するだけの我が身が情けないのです。
 
顧みれば、わが愛犬リりにしてみれば、随分と果報者であったものだ。