46th
K.I.T.FESTIVAL
「松任谷由実来たる!」
にそそのかされて工大祭へ赴く。
多目的ホールを取り巻くように長蛇の列、最後尾に位置し誘導係りにわたしのNOを尋ねれば850人目だという。
列は徐々に会場へ吸い込まれてはいるがやがて伝令が届いて会場満席に付き別会場へ案内するという。
大型スクリーンが設置された大講義室では既に開演されたらしく大きなサングラス姿に半袖Tシャツに黒い革ベストを着装した中年のご婦人が大写しされている。
紛れなく御当人に違いはなさそうだ。
当工大の最新の技術を駆使しても画面が大きいばかりに画像は至って不鮮明にしか映らない。
どうも対談形式で運んでいる。
後で知り得たことだが著名な名プロジューサーである立川直樹氏が端麗な口調で話題は掘り下げられ深められる一方なのだ。
正直言って外国語を聞いているのも同然でよく判らない。
外国のポップス音楽に在る程度の知識や造詣を持ち合わせない以上チンプンカンプンなのだ。
場違いだと感付いたがもう遅い。
とにかく、安っぽい歌い屋さんではない本間物の歌手の歌を耳にしようと、今かと待てども一向にステージに立ちマイクを握ろうとする気配がない。
しかし、分からぬまでも聞き入るうちに彼女は歌い屋さんどころか一角の立派なアーチストであり人間の内面を謳い上げる素晴らしき国際的シンガーであることを知った。
また、「ポップス クラッシック」の先駆者であることも知った。
さらには、とても難しい「創造学」の何たるかをとくと勉強させて戴いた。
日曜会稽古を犠牲にしても余りある収穫を戴いたのだとおのれを宥めすかして納得させたのでした。