老いぼれの独り言

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かなり遠くからバンドのリズムが秋風に乗って届いてくる。
絶好の日和に、ふらりと工大のキャンパスに足が向く。
学園祭の真っ只中幾つものサークルが意匠を凝らして出店し集客に暇なしに大声を張り上げエネルギーを燃やしている。
焼き鳥やら焼きそば、たこ焼きなどなど各種各様の匂いが集合体となっておおいかぶさるようにして嗅覚に訴える。
さすがノンアルコールに徹するは天下の工大だ。
 
特設のステージでは耳を劈くビート音が地響きをたてている。
意気投合した電子ギターとドラムの強烈なリズムはズシンズシンと取り巻く聴衆の五感にもろに伝わってくる。
青春のエネルギーの大爆発を間近で聴けば確かに痺れる。
マイクからは或る意味怒りともとれる物凄い絶叫音が轟きわたる。
もうこうなったら上手下手なんてもうどうでもよいことになろう。
在るのは只青春の爆発だけなのでしょう。
 
ただ、真の怒りと心の怒りの爆発がほしかった。
アジ演説をぶつものは居るはずもない。
もちろんデモもデモ行進を扇動するものなど居たら大変だ。
当然ながら中核派革マル派内ゲバも完璧にもう過去の遺物と化した。
秋の風にへんぽんと翻る赤旗も見受けられるはずもない
 
時代錯誤も甚だしい。
なあお前さんよ、呆れたものではないか。
 
若者たちの怒りの情熱は時代の波消しブロックによって掻き消され何者かによって完膚なきまでに吸い取られて蛻の殻と化して仕舞ったではありませんか。