老いぼれの独り言

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最後に宿泊したのが平泉町の「そば庵しずか亭」で名が示す通り絶品の御蕎麦が振る舞われた。
敷地に栽培する春ソバが丁度白い花をつけていた。
すべてがお手製で格別の趣きがあった。
地酒「兵」も然ることながら手の込んだ料理に大いに満足したのだが一つだけ解せないことがあった。
と云うよりも拍子抜けしたことがある。
山の幸が見当たらないのです。
わらびぜんまいは元より山ウドもない。
何よりも足下に自生するノブキの姿がない。
わたしは真顔で宿の主人にお聞きしたのです。
当地では道端のあちこちに繁茂するノブキをなぜ採取しないのか、当地ではノブキを食する風習がないのでしょうかと愚問を発してみた。
ご主人は笑いながら飛んでもない、食べきれないのですと云う。
路傍に咲くノブキまでは手が回らないのだとおっしゃるではないか。
遠路はるばる訪問された客人にノブキ如き代物を振る舞うにはあまりにも失礼かと存じたのだという。
成程そうかと頷かざるを得なかった。
帰路、例の小沢一郎さんの立看板の脇にもノブキが群生しているではないか。
写真を撮るだけではなくノブキも手当たり次第に採取した。
薄紫色した根元の直径は優に1センチを超える大物で瞬く間に収穫し得た。
 
まさに「東北の旅」のお土産に斯くなる物が成ろうとは夢知らず我ながら驚く次第だ。
家内手作りのノブキの味は格好の旅の思い出になったのです。
 
先日、来客の折にはみなさん美味いと云って平らげて行かれた。